ReachMoon

アプリ開発チーム”ReachMoon”のブログです。

【規約関連】GooglePlayデベロッパー販売/配布契約について

タイトルからして仰々しい感じだけど、つまるところGooglePlayConsolを申請した際にGoogleと合意した契約内容を確認してみようと思ったのでまとめてみた。

 

GooglePlayConsoleの手続きで言えば↓の ”利用規約に同意する” の『GooglePlayデベロッパー販売/配布契約書』の方を今回は確認していこうと思う。

 

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ちょっと固い記事になりそうだけど、今後もアプリ制作をしていくならこういった制作以外の部分も気にする必要があると考えています。

考えてみれば当然のことから知らなかった事まで色々とあったので、こういった契約を意識していなかった開発者の人は目を通してみるのも面白いかもしれません。

 

なお、今回の記事で使用されている契約内容は2020年5月時点のもの(2019年11月に発行されたもの)です。今後、改定される事もあるのでご了承下さい。

 

始めに

 

契約書をちゃんと読まずに合意するなんてまずありえないよね。

きっと多くの人は真面目にこの契約内容に目を通して申請しているはずだから、こんな記事は不要だと思う。まぁ、そういう人は復習だと思って眺めてくれれば幸いです。

 

なお、私は法律の専門家でも契約書を読み慣れているわけでもなく、そもそも契約書なるものを真面目に目を通したことも無いような人物なので、この記事の内容は個人的な解釈、見解であることに留意願いたいです。間違いなどあれば優しく懇切丁寧に甘やかすようにご教示いただけると幸いです。

また私はGoogleを敬愛し、感謝し、崇めながら生きており、記事にもし過激な発言が含まれたとしてもフィクション、虚言、エンターテイメントの類だと理解してこの記事を読んでいただければ幸いです。(既にバカにしてる? いや、そういうわけでは……)

 

契約書の読み方

 

実際に契約書を読み進める前に、契約書の楽しい読み方を記しておきます。

 

契約書とは自身と相手の二者間(あるいは複数)に結ばれる約束事です。

その二者間を繋いでいるのは愛でも友情でも運命でもありません。

二者間を繋いでいるもの、それは利益享受の関係。

約束事が何も無ければ互いに貪欲に利益を主張する関係になるでしょう。

そうならない為に法があり、契約書があるのです。(たぶん)

 

契約書とは、互いの間に生まれる利益に何らかのトラブルが発生した時にどうするのかを記した約束事ノート。子供に言い聞かせるのであれば口頭でも十分ですが、それだと忘れてしまう事もありますよね。

だから、こうして忘れないように文字にして残しておく必要があるのです。(たぶん)

 

契約書は淡々と約束事が書かれているようにも見えますが、実はそうではありません。
日常的に、或いはトラブルの発生時、自分が不利にならないように、また自分が有利に立てるように様々な条項を規定しているのです。(たぶん)


契約書を読む時には契約書を制作した側の意図、裏側の思惑を読み解くようにしましょう。そこには推理小説も顔負けの恐ろしい陰謀が隠されている事も……(無いです。)

 

魔法少女のように契約したがために取り返しのつかない事にならないように、契約前にはしっかりと契約内容を確認しなければなりません。
それでは各条項に込められた真意を読み解いていきましょう。(大袈裟)

 

1.定義

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1.定義

第一条は各名称の定義です。
契約書で使われている名称がどういうものなのかを明確にしています。
重要な用語としては

 

デベロッパー:心根優しい青年。世界に名を響かせることを夢見ている。
(※本当は開発者のことだよ)

 

Google突然デベロッパーの前に現れた存在。強大な力を有し、力を貸し与えようとしている。その正体は神か、それとも悪魔か……

(※言わずと知れた大企業だね。いろいろな地域に存在しているよ。)

 

支払いアカウント:Googleからデベロッパーに授けられた力のひとつ。この力があれば強大な力(お金)を得る事ができるかもしれない。

(※アカウントが無いと支払いが受けられないよ)

 

支払い処理業者:Googleが使役する精霊。Googleに代わってデベロッパーに力(お金)を与えてくれる。お金にガメツイところが玉に瑕。根はいい子。

(※本当はGooglePlayを使って発生した利益を処理している業者の事だよ。)

 

対象製品:デベロッパーの力が結晶化したもの。世界を変える力を持つ。

(※デベロッパーが開発したアプリ、サービスのこと)

 

対象税金:力の行使(売り上げの受け取り)の際に払わなければいけない対価。

Googleよりも強大な力を持つ存在が世界に課した真理。力を行使する地域によって異なるとか……

(※税金のお支払いは正確に!)

 

と考えると理解し易いかもしれません。(効果は保証しません。)

 

なお、この記事は真面目な解説になっていない可能性もあります。
真面目に契約書を読みたい人は下記のページへどうぞ。(契約書のリンク先)

play.google.com

 

構成は、各項ごとのスクショの提示→解説(意訳?)といった流れになります。

スクショは重要そうな部分に赤でマーカー、アンダーラインを引いていますが、学生時代にノートを取るのが苦手で教科書の全てにアンダーラインを引いていた私なのでまとめ方が下手です。

各条項の詳細は各自で目を通していただくのがよろしいかと存じ上げます。

その辺りを留意しながら一笑に付して頂ければ幸いです。

ってことで、次から実際の内容を見ていきます。

2.本契約への同意

 

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2.本契約への同意

要約すると……

2.1
GooglePlayで商売したいの? それなら僕(Google)と契約しないとw
契約後、”君(デベロッパー)が指示してくれたら”、君の商品をユーザーに紹介、販売するよ。(逆にいえば、君が何も言わなければ僕は何もしないけどね。あはは)
この契約に同意したら、君は僕に”常に”、”詳細で正確な情報を提供”してくれよな。

 

2.2
僕が君を認めない限り君の商品(アプリ、サービス)が僕のお店に並ぶことはないよ。
まぁその場合、この契約に自体も君には関係ない話だけどね。

 

2.3
君が誰かの代理(社内での担当など)でこの契約をしようとしているんなら、何かあった時は君じゃないくて、君の雇い主に出てきてもらうからね。トカゲの尻尾切りはさせないよ。それが認められないならこの契約は無いからね。

 

ってところかな?

2.1は当たり前の話なんだけど、デベロッパーが依頼した時だけGoogleはストアにアプリを表示したりDLできるようにしたりします。(逆にいえば勝手にGoogle側がアプリに掲載したりすることはない)

あと『PlayConsoleで常に詳細かつ正確な情報を提供し維持する』と言うのはデベロッパーに課せられた義務になるので注意しましょう。(怠った場合、Googleから何を言われても文句は言えません。)

 

3.取引関係、価格、支払い、および税金

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3.取引関係、価格、支払い、税金

3は金額の支払いなどについての条項。

3.1
デベロッパーはGooglePlayで展開しようとする商品に対してGoogleマーケットプレイスサービスプロバイダ(ネット上での取引事業者)に任命するように。
当該商品のマーケティングもするからね。私に任せておきなさい。

 

3.2
この契約の対象は無料アプリ(ユーザーが無償でアクセスできる対象商品)も有料アプリ(対価を支払ってアクセスする対象商品)も対象だからね。
売上の支払いのためには支払い処理業者からアカウントをもらってね。あっ、支払い業者との契約も確認しておいてね。

 

※3.2の条項の『デベロッパーの対象製品に対しデベロッパーが課金し……』の部分が意味がわからないんだけど、元となる英文( In order for You to charge a fee for Your Products and to be paid for Products distributed via Google Play,……)から察するに『デベロッパーが課金し』は悪訳で、『デベロッパーのアプリとアプリを介してGooglePlayに支払われた料金』って意味で、アプリの売上やアプリを介して発生した料金(課金)をGooglePlayに請求する場合って事だと思う。

 

3.3
アプリの販売価格はそっち(デベロッパー)で決めてね。
アプリの販売で何かしらの税金が発生する場合、僕(Google)の方でユーザーへの請求金額に税金を含めることもできるように許可してくれるよね。
支払い通貨の単位は支払い処理業者が対応できるならドルでも円でもマルクでもルピーでもOKだよ。

僕はお客さんに対しては現地の通貨で表示するかもしれないけどいいよね。通貨レート? うーん、僕の方でやっとくよ。(間違ってても文句言わないでね。)

 

3.4
商品の最終販売責任についての話をしておくよ。
ヨーロッパの方(欧州経済領域:EEA)に関しては僕(Google)が最終販売責任者になるよ。でもそれ以外は君(デベロッパー)が最終販売責任者だからね。
取り分はどうしよう? 価格は君が決めていいよ。僕はサービス手数料としてその価格の何割か貰うってことでいい? 手数料の中から支払い処理業者や認定プロバイダに分配するようにするからね。割合は……コッチを確認しておいてね。

support.google.com

 

3.5
アプリの販売時に税金がかかる国や地域があるんだけど、特定の国は僕(Google)の方で上手く納税しておくよ。その他の国については君(デベロッパー)の方で判断してね。
地域はちゃんと確認しておいてね。僕の方はこの範囲で納税処理をしておくから、君の方もちゃんとするんだよ。支払いだけど、サービス手数料と諸々の税金を引いた金額を君に支払うようにするから。
あっ、税金がかかる国や地域は随時変更するからよろしく。

詳しくは下記を確認してね。

support.google.com

ちなみに、日本はこんな感じだよ。

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国税庁に申告シクヨロ。詳しくは税理士に聞いてね。

 

3.6
源泉徴収って知ってる? その支払い義務が発生する場合は君(デベロッパー)に支払う金額の中から抜いておくから。

 

3.7
ちなみにこれまでは有料アプリの話ね。これからは無料アプリについて説明するね。
君(デベロッパー)は無料アプリもリリースできるよ。無料アプリの場合はサービス手数料はいらないから。その場合、お客さんに課金が発生しないように注意してね。
ちなみに、最初に無料って言って発売したアプリは途中で有料に出来ないからね。
追加で課金したい場合は別のバージョンでリリースしてよね。

 

3.8
払い戻しが発生したら払い戻しの処理をしておくから。払い戻しの金額については君(デベロッパー)への支払いから差し引くことにするから。払い戻しに関するガイドラインはこっちね。

support.google.com

 

こっちの記載に無いケースは支払い処理業者側の規約が適用されるから。
製品の購入で既に発生した税金の払い戻しは除外される場合もあるからね。

 

3.9
一度お客さんに販売/配布したアプリは追加料金なしで再インストールできるよ。
ただし、アプリが法的に問題があって販売/配布を取りやめた場合はGooglePlayから存在を抹殺するから。それ以降は再インストールできないよ。

 

第三条の内容はこんな感じ。

3.4のサービス手数料、3.5の課税に関する事は詳しく確認しておくといいかも。

あとは3.7の記載にある当初無料でリリースしたものは途中で有料にする事は出来ないって言うのは要注意。(有料版を出すなら別バージョンにする必要がある)

 

ちょっと休憩……

ひとまず第三条まで書いてみましたが、内容が長くなったので記事を分けます。
契約書は全部で16項まであり、全部書いていくのは時間が掛かりそう。
記事の内容は二つか三つになりそうかな。

って事で、今回はここまで。続きは準備出来次第、公開するようにします。

それでは。